2022-12-29 (木曜日)

五本木口から消えたもの


 去年から今年にかけて五本木口の近くから消えた愛しいものたち。
 在りし日を偲びます。

 
ハンカチノキ

 松戸市が開設していたグリーンバンクの土地を地主さんに返すことになったときに、公園がこの木を引き取ったそうです。2017年に初めて上の画像のような白い綺麗な花(総苞片)が見られました。
 2018年に傷んだ幹が切られましたが、切断面に薬剤が塗られ樹名板も新しくなって保護されていました。
 若葉のころにはハーブのようないい香りがただよいました。


ハコベホオズキ

 ハンカチノキの根元で小さな花を咲かせていました。
 放置するとすぐ広がってしまう厄介な外来種のようですが、よく管理されていて園内ではここでしか見られませんでした。


サザンカとツバキ

 サザンカとツバキが並んで植えられていて樹名板がついていました。
 どちらも樹高があまり高くなくて葉や枝のようすが近くで比較観察できました。
 サザンカは光と風の広場の奥の木とどっちが先に咲くか毎年楽しみでした。


チガヤの群生

 芝生に下りたところにチガヤがたくさんありました。
丹念に刈り込まれる芝生の中でチガヤの群生はロープで守られていました。
 風にそよぐ白い穂や草紅葉の美しい光景が毎年見られました。


ウマノスズクサ

 案内所横のフェンスにからんで毎年花を咲かせていました。1988年度(昭和63年度)の調査でもこのあたりのゾーンで自生が確認された植物でした。
 草刈り作業で刈られそうになったことがありましたが、注意の札がついて守られていました。


案内所わきの原っぱ


 公園オープン当時はフェンスで囲まれた資材置き場のような場所でした。フェンスの上からススキの穂がのぞいているのを数年にわたって眺めた記憶があります。

 フェンスがとれて原っぱとして公開されてからは、毎年ネジバナがたくさん出ていました。ネジバナは園内の他の所でも見られますが、ここは春先の芽生えを見つけやすく花が咲くまでずっと観察できる場所でした。

 セイヨウタンポポやシロツメクサが咲く中で子どもたちが遊ぶ姿がありました。トキワハゼもありました。斜面林からイヌシデやコナラの花序や果穂がぶら下がっていて枝を手繰ると間近で観察できました。ずっと探していたフラサバソウを2017年に初めて見つけたのもこの場所でした。

 何もないただの原っぱが何もないままで残されていて草や木々に親しむことができたのは、幸せなことでした。


追記です.(2023-2-2)
 昨日、五本木口から帰るときに確認したのですが、
 ビワとクロガネモチも消えてしまいました。



 ビワの花はいいにおいがします。残っていれば今ごろは小さい実がついていたはずです。
 クロガネモチはたぶん園内でここだけだったと思います。熟した赤い実がきれいでした。

posted by s.fujino 2022年12月29日 20:08
 

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